出口の見えないダイエット地獄に足を踏み入れてしまったあの日・・・

私がダイエットをはじめたきっかけは今から１３年前の服飾の学校に通っていた頃でした。

「自分がデザインして作った洋服をショーでモデルさんが着てくれる」という
複数の学校が集まってのイベントがありました。

その中で「生徒部門」があったのですが、ステージに立てるのは生徒の中でも
抜群にスタイルが良い人ばかりだったので私には全く関係のない世界で
私はもっぱら「作る人」で楽しんでいました。

　あの日までは・・・
　　「モデルの人数が足りないから優子ちゃん次のショーに出てね」

　　　え？今、何て言った？・・・太い私が「モデル？」

　　　呆然とする私にプロのモデルになることが決まっていた先輩や

　　　スタイル抜群の同級生からは

　　　「美容外科に行って脂肪吸引でもしてもらえば？」

　　　「優子って意外と脚太いよねー。今から絶食すれば？」　

　　　これだけでも私にすれば大きなショックと衝撃だったのですが

　　　落ち込む私にさらなる大事件が起きたのです。

　　　本当に大好きだった彼に　

　　　「優子ってジーパンばっかりやな。ま、お前にはミニは無理か」

　　　その日から彼とは連絡が取れなくなり、

　　　もう駄目だと諦めかけた頃に・・・出会ったんです。

　　　隣にはスタイル抜群の小さな顔の可愛い女の子が・・・　


　　　この直後の記憶は全くないほどのショックで

　　　家から１歩も外に出られなくなりました。


　　　引きこもったまま１週間くらい経った頃に私は目覚めました。

　　　「もしどこかで彼と会ったときに綺麗になった私を見れば・・・」

　　　「私が痩せたら学校のみんなは羨ましがるに違いない・・・」

　　　「私が痩せたら、私が細くなったら、私が綺麗になったら・・・」

どん底の中から出てきた「意地でも痩せてやる」という想いが爆発して

　　　痩せると聞くもの見るもの全てに手を出しました。

　　　　・朝からサウナで汗を流す。
　　　　・帰り道にサウナスーツを着てジョギング。
　　　　・帰宅後サランラップを全身に巻き腕立て、腹筋、筋トレのフルコース。　
　　　　・すぐに熱いお湯をお風呂を張りサウナ状態にし塩とクリームでマッサージ。
　　　　・口にするものというと、基本は水かお茶だけ。
　　　　・どうしても食べるときにはこんにゃく、海藻、きのこ、寒天、野菜のみ

　　　　食べないことで５ｋｇ痩せて少し自信が出てきた頃に

　　　　「痩せたから少しくらいなら」というごほうび感覚で食べたつもりが

　　　　「もっと食べたい」という止まらない食欲が湧き出てきたんです。


　　　　・・・「ドカ食い」をしてしまったのです。


　　　　その日から、これまでのように簡単には食事制限ができなくなった私は

　　　 意地だけで体重を落とすという最悪の状態でした。

　　　それでもダイエットをやめるどころか新たなことを次々と取り入れていきました。

　　　　・栄養が摂れそうな置き換えダイエット。
　　　　・痩せる効果があるというお茶とサプリ。
　　　　・痩せるつぼに電気を流し、痩せるという下着を常に着用。
　　　　・体に空気圧をかけ、「痩せる」と書いたクリームをぬりたくり
　　　　・エステで購入した機械（確か４８万円くらい）で高周波を当てる日々　　

　　１７歳の学生が痩せるためにエステに通ってさらに４８万円もする機械を購入・・・
　　
　　今考えると私自身が信じられませんが、たとえお金がかかってでも

　　　　どんな手段を使ってでも痩せたいとしか思えませんでした。


　　　　さらに通える範囲内のエステに片っ端から手を出してしまったため

　　　　１６歳から夜遅くまでアルバイトをして貯めたお金を使い果たした上に

　　　　毎月入ってくるお給料もつぎ込んでしまったのです。　　　　


　　　　お金がないけど痩せたいと思っている状況の中で、エステティシャンに

　　　　未成年でもローンを組める方法を教えてもらった私は

　　すぐにローン会社からお金を借りて、週に２回のペースでエステに通い詰めました。

　　　　なのに体は痩せることもなく、コースが終了となってしまい

　　　 ダイエットに総額３２０万円以上も使い込んでしまったのです。


　　　　借金と太った自分だけが取り残されて

　本当に気がおかしくなるかもしれないという真っ暗闇のどん底に落ちてしまいました。



　　　　「ここまで必死に頑張っても痩せないのは私だけ・・・」


　　　　こんなことばかりを考える毎日を家に閉じこもって過ごしていたある日。



　　　 「細い人って何してるんだろう・・・」


　　　　上手く言葉に表せないのですが、本当に「何か」が見えました。